第六章 夜咲く花と、 散る花と

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 でも執拗にいじられていると、次第に痺れてくる。 痺れてきても、時季は焦らずに、 ゆっくりと俺の首や肩を舐めてキスしていた。 「やっぱり鈍いよね。 痛い時は痛いと言ってもいいよ。苦しい時もね」  何度も、鈍いとは何だ。 しかし、確かに鈍いかもしれない。 感覚が失せてゆく感じがしていた。麻痺してきたのかもしれない。 「大和に感じ方を教えてゆくよ」  何をするつもりであろうか。 感じ方などあるのであろうか。 「中だけで、感じられるようにね」  いや、男なので、前で感じたいのかもしれない。 でも、真剣な時季の表情に、俺は観念するしかなかった。  いや、いや、やはり前がいい。 入らない、圧迫される、かなり怖い。 無限の大きさに責められているような気になる。 どこに終わりがあるのか分からない。
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