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ちょっと、気分が落ち込むと、目の前のうどんが大きく見えた。
「ビール、一本」
ビールでも飲まなければ、やっていられるか。
「未成年には出さないよ」
店主に、きっぱりと断られた。
「未成年ではないよ」
持っていた身分証明書を提示してみた。
身分証明書というか、タグのようなものであった。
所属や、医療に必要な事項が書かれている。
「特S級、鉄鎖出身の鬼同丸……」
店主がビールを出してくれたが、
俺が飲む前に袈裟丸に奪われ、一気飲みされていた。
「あっ……」
「飲ますなと言われてきていますから」
誰に言われたのだ。
「そうか、その姿。火の屋の息子か」
その台詞に、袈裟丸は顔を真っ赤にして立ち上がった。
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