第七章 燃えるような夕日

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「ウナギかなあ。街の店に行くか」  一羅と並んで街に出ると、ある意味、目立つ。 皆が一羅に挨拶してゆく。 この星は、鬼城の関係者しか住んではいない。 観光客相手の商売もあるが、その家族にも必ず鬼城の関係者はいる。  普通に歩いていれば、一羅の怪我は分からない。 一羅は、穏やかで大きい、日差しのような男であった。 「桜川は、俺の親父の先輩であったよ。 そのくらいの年なのよ、あの人」  その年で、絶倫であるのか。 「だから、妻が十人くらいはいたかな。 皆、先に逝ってしまっているけどね。 子供も百人くらいいると噂になった。その内、二人は有名だけどね」  二人しか認識していなかった。
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