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うなぎ屋ののれんを潜ると、店先でウナギが捌かれていた。
桶が積み上げられ、中に生きたウナギが水を浴びていた。
「おかみ、二階を借りるよ。ウナギ上を二つ」
急な階段を登り、二階に上がると、大部屋と幾つかの小部屋があった。
一羅は迷わずに、奥の小部屋に入って行った。
奥の小部屋には、既に先客がいた。
「時季?」
「大和か、一羅の説教は終わったか?」
時季はウナギを既に食べていた。
「まあ、高麗を寿退社」
「そうか、まあ、それは恩赦だよね。高麗だって分かっているはず。
手足を外されていたら、護衛とは言えないだろう」
俺が甘かった。
桜川の元に、高麗を行かせるのではなかった。
高麗は護衛ではなく、桜川に守られていた。
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