第七章 燃えるような夕日

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「いや……このままでは、鬼城はダメだよ。 孝太郎を倒して、亜空間使いの巣に戻さないといけないよね。 五羅は正しかった」  夕日が燃えているが、燃え尽きる色でもあった。 その前に居る一羅は、俺の親の年齢になっていた。 いや、二十三年前で既に親の年であったので、更に年を取ったのだ。 「それに、鬼城の再建のために、 大和はゲートキーパーとして残さないといけないからね」  孝太郎が亜空間に存在しているので、 次のゲートキーパーが出現しないとも言われていた。 ゲートキーパーは、産まれる前の、腹の中でも、亜空間を呼び、 あれこれ迷惑な行動を起こす。 そうやって制御を学んでゆくのだが、 今、亜空間は孝太郎の影響が大きく、呼んだ瞬間に赤子ならば消えてしまう。
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