第七章 燃えるような夕日

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 一羅は、やるよと言って、 手をつけていなかったウナギをくれた。 そして、勘定を払うと帰って行った。 「シェリエは長生きだけど、呼吸も少なく、というか、 していない時の方が多いし、省エネだよね」  そう言って、ウナギは時季が食べていた。 そこで、シェリエが出てくるのが不思議だ。 「時季のシェリエの情報源は、当麻か?」 「そう。 よく知っておけって、響紀も学んでいるよ。 扱い方や、管理方法、抱き方とかね」  そんなものを学んでいたのか。 まるで、ペットを飼っているようだ。 「時季……あのな」 「俺の最高で最強の宝物だからね」  ウナギを食べながら、キスしないで欲しい。 ウナギの味がしたキスになっていた。どこかで、山椒の匂いも漂う。
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