第一章 仕事探しは前途多難

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 五月人形は、金太郎みたいなやつだろうか。 よく言われるが、自分では似ていると思った事がない。 熊に跨って、こいのぼりを持っているイメージなのだろうか、俺。 「すまん、おやじさん……」  溜息をついた袈裟丸が、うどんの残りを食べていた。 「こんなに綺麗な子が、頭領なのかい。近くで見ても、綺麗でかわいいねえ。 おまけ付けてあげようかね」  俺のうどんに、卵とのりが追加されていた。 「ありがとう」 「おやじさん、俺にはおまけはないの」  袈裟丸が、どんぶりを片手に持ち、おまけを催促していた。 店主は仕方なく、袈裟丸のうどんにも、たまごを乗せた。
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