第七章 燃えるような夕日

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 俺の存在が軽いので、孝太郎に飲まれそうになるのか。  俺は、目を開くと、心吾をまじまじと見た。 「融合は、それが限界なのか?」 「いいえ。あと二・三頭はいけますよ」  孝太郎に勝る比重の魂になれるのか。 「象とか馬か?」 「いや、クジラとかイルカが好きですね」  鬼城には海がない。  でも、これは伊万里に頼むしかない。 俺は教官であるが、専門は銃器になる。 それに、生まれながらに亜空間があったので、 教えるのが下手なのだ。 「伊万里に頼んでおくから、今は眠らせて」 「傍に居てもいいですか?貴方は不安定に見える。 空間に対しては儚く、存在は大きい」  近くにいたら、眠れない。
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