第一章 仕事探しは前途多難

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「やった!」  猛獣のようだが、笑うと袈裟丸は可愛い。 このギャップに、御卜も惚れたのかもしれない。 袈裟丸は、強いのに素直であった。  俺も、本当に袈裟丸が嫌いではない。 「袈裟丸、御卜とはうまくいっているの?」  袈裟丸は、今度は別の意味で赤くなっていた。 「すいません……大和の恋人だったのに。 でも、俺は幸せです」  幸せならばいい。 それに、袈裟丸が謝ることは何もない。 俺が、振られただけだ。 「なら、いいよ……」 「でも、大和は、老若男女に好かれるその容姿と、 鬼城で一番の銃器使い、操縦の腕もジュノー仕込みでS級、 俺比べると自信がなくなりますよね」  振られた俺のほうが、もっと自信がなくなるだろう。 でも、袈裟丸はいい奴だ。 御卜が選んだのが、袈裟丸で良かった。
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