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「やった!」
猛獣のようだが、笑うと袈裟丸は可愛い。
このギャップに、御卜も惚れたのかもしれない。
袈裟丸は、強いのに素直であった。
俺も、本当に袈裟丸が嫌いではない。
「袈裟丸、御卜とはうまくいっているの?」
袈裟丸は、今度は別の意味で赤くなっていた。
「すいません……大和の恋人だったのに。
でも、俺は幸せです」
幸せならばいい。
それに、袈裟丸が謝ることは何もない。
俺が、振られただけだ。
「なら、いいよ……」
「でも、大和は、老若男女に好かれるその容姿と、
鬼城で一番の銃器使い、操縦の腕もジュノー仕込みでS級、
俺比べると自信がなくなりますよね」
振られた俺のほうが、もっと自信がなくなるだろう。
でも、袈裟丸はいい奴だ。
御卜が選んだのが、袈裟丸で良かった。
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