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「俺は、袈裟丸が好きだよ。
御卜が選んだ気持ちは分かる」
袈裟丸が、ゆでたように真っ赤になった。
「……好きというのは、
友人でしかも男友達って意味でね」
「はい……」
うどんを食べて外に出ると、
何かの騒ぎが大通りで起こっているようだった。
人が走って路地を抜け、大通りへと走ってゆく。
「帰ろう、袈裟丸」
袈裟丸は、祭りと喧嘩が好きというタイプであったので、
そわそわとしていた。
「あれ、ジュノー家だよね!」
路地を走る子供が、叫んでゆく。
ジュノー家?嫌な予感がしていた。
「先に帰る……」
俺は、今はジュノー家の暗殺部隊に狙われてはいない筈。
でも、近寄らない方がいいだろう。
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