第一章 仕事探しは前途多難

22/30

82人が本棚に入れています
本棚に追加
/306ページ
 俺は、走り寄ってから、 出雲がナイフを出している事に気が付いた。 「響紀?」  俺は、静かにそっと後ろに下がる。 出雲のナイフは、俺でも避けられない時がある。 「家にね、ジュノーが来ましてね。 大和を預かりたいと言ってきました。 もちろん、丁重にお断りさせてもらいましたよ」  響紀、キレている。 このキレっぷりならば、 来たのは、俺の母のジュリアン・ジュノーではないだろう。 響紀は、ジュリアンを尊敬していた。 「ならば、攫ってゆきたいと言うものでね、俺は大和を探す。 時季(とき)はジュノーをお見送りしています」  もしかして、大通りの騒ぎは時季なのか。 大神 時季(おおみわ とき)、 響紀と同じく幼馴染で、同じチームであった。
/306ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加