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しかし、時季には聞こえていないようであった。
時季と睨みあっていると、横から響紀のナイフが掠ってくる。
避けた先にもナイフがあるので、
響紀を避けるのは、間合いから出るしか方法がない。
「響紀!」
後方に下がってみたが、響紀が瞬時に間合いを詰めてきた。
こうなると、俺も戦闘モードに入らなければ、殺されてしまう。
周囲に糸を張り巡らせようとしたとき、横腹に蹴りが入っていた。
「馬鹿ども!ここは街中だよ」
この声の主は、知っている。
俺の、脇腹にヒールの跡が残る、こげ茶のピンヒールのブーツ、
フリルのスカートに、レースのコート。
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