第2章 砂漠がいいか、ジャングルか

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 しかし、時季には聞こえていないようであった。 時季と睨みあっていると、横から響紀のナイフが掠ってくる。 避けた先にもナイフがあるので、 響紀を避けるのは、間合いから出るしか方法がない。 「響紀!」  後方に下がってみたが、響紀が瞬時に間合いを詰めてきた。  こうなると、俺も戦闘モードに入らなければ、殺されてしまう。 周囲に糸を張り巡らせようとしたとき、横腹に蹴りが入っていた。 「馬鹿ども!ここは街中だよ」  この声の主は、知っている。 俺の、脇腹にヒールの跡が残る、こげ茶のピンヒールのブーツ、 フリルのスカートに、レースのコート。
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