第一章 仕事探しは前途多難

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 組には決まった形式はなく、 会社のような仕組みを持っていたり、チームにしていたりと、様々であった。  鬼城家本部は、江戸のような街並みの、中央に鎮座している城の中にあった。 鬼城家の創設者が、宇宙空間や機械ばかりの生活に疲れ、 帰って来るなら和風がいいと言ったのがきっかけとされるが、 つまりは全てが江戸風になっていた。 髪型は普通であるが、着物も多い。長屋のような住居もある。  俺、鬼城 大和(おにしろ やまと)は、 鬼城家と血縁関係はないが、鬼城の名前を持つ。 組を造る際に、鬼城の名前を持つ者が、 一人以上存在しなくてはならないという規定があり、 俺は鬼城の養子という立場になっていた。 元の名前は火の屋という。
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