第2章 砂漠がいいか、ジャングルか

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「馬鹿ども!」  時季に、回し蹴りが炸裂していた。 黒いフリルのスカートの中は、メタリックの濃い茶のスコートであった。 「馬鹿ども!」  再び回し蹴りが、今度は響紀に炸裂していた。 「母さん!」  時季と、響紀が蹴り飛ばされて、地面に転がっていた。  ジュリアン・ジュノー、俺の母親であった。 見た目は二十代にも見えるが、孫も居る。 「ジョン!」  ジュリアンに名前を呼ばれたジョンが、 気まずそうに戦車の後ろから出てきた。 「大馬鹿者だな。 こんなことをして、許されると思っているのか? 大和は、ジュノーと火の屋が手放すことで、和解している」  腰まで伸びる髪は巻き毛で、美人というよりも、ジュリアンは可愛い。 俺は、きっちり父親に似た外見であった。
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