第2章 砂漠がいいか、ジャングルか

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「素手があるでしょう?」  兄達に励まされてミコトは、素手で俺を殴ろうとしたが、 見えない糸がからまって、腕は動かない。 「手が動かない」  これが敵であったのならば、既に糸で腕を切り落としている。 「大和、何秒でミコトを殺せる?」 「一秒以下ですよ」  俺の解答に、ミコトは満面の笑顔になっていた。 「本当だ!強いや。 それに、横顔もかっこいいし、ドキドキする」  俺は、ミコトから離れると、ジョンの前に立った。 「ジョン。息子に家を継いでもらえ。 それぞれの世界があれば、情熱というものを知っているだろう。 売るというのは情熱だろ?」 「でも、兄さん。俺は兄さんを愛していますよ。 それに、ジュノーも兄さんを必要としています」  どう必要としているのだ。 俺が、じっとジョンを見ていると、長男のエリンが横に立っていた。
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