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「素手があるでしょう?」
兄達に励まされてミコトは、素手で俺を殴ろうとしたが、
見えない糸がからまって、腕は動かない。
「手が動かない」
これが敵であったのならば、既に糸で腕を切り落としている。
「大和、何秒でミコトを殺せる?」
「一秒以下ですよ」
俺の解答に、ミコトは満面の笑顔になっていた。
「本当だ!強いや。
それに、横顔もかっこいいし、ドキドキする」
俺は、ミコトから離れると、ジョンの前に立った。
「ジョン。息子に家を継いでもらえ。
それぞれの世界があれば、情熱というものを知っているだろう。
売るというのは情熱だろ?」
「でも、兄さん。俺は兄さんを愛していますよ。
それに、ジュノーも兄さんを必要としています」
どう必要としているのだ。
俺が、じっとジョンを見ていると、長男のエリンが横に立っていた。
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