82人が本棚に入れています
本棚に追加
/306ページ
火の屋は殺し屋の一族であるので、確かに鬼城も、
俺を預かった時に、火の屋と名乗らせるわけにもいかなかったのだろう。
俺は、殺し屋である父、火の屋と、
武器商人である母、ジュノー家の血をひき、
どちらの家からも跡取りとして認められず、
抹殺指示を出された後に、鬼城の頭領が預かった。
預かってくれた理由は、鬼城の頭領が、両親の親友だったのだそうだ。
鬼城家の城(本家とか母屋と呼ぶ人も多い)の一階に口入屋がある。
仕事斡旋所のようなものだ。
俺は仕事を請け負う為に、鬼城本家に来ていた。
口入屋、そこで仕事を選ぶのだが、あまりいいものは期待できない。
実績があれば、直に依頼が行く制度があるせいで、
他で断られた仕事のみが、口入屋にやってくる。
最初のコメントを投稿しよう!