第一章 仕事探しは前途多難

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 火の屋は殺し屋の一族であるので、確かに鬼城も、 俺を預かった時に、火の屋と名乗らせるわけにもいかなかったのだろう。  俺は、殺し屋である父、火の屋と、 武器商人である母、ジュノー家の血をひき、 どちらの家からも跡取りとして認められず、 抹殺指示を出された後に、鬼城の頭領が預かった。 預かってくれた理由は、鬼城の頭領が、両親の親友だったのだそうだ。  鬼城家の城(本家とか母屋と呼ぶ人も多い)の一階に口入屋がある。 仕事斡旋所のようなものだ。  俺は仕事を請け負う為に、鬼城本家に来ていた。  口入屋、そこで仕事を選ぶのだが、あまりいいものは期待できない。 実績があれば、直に依頼が行く制度があるせいで、 他で断られた仕事のみが、口入屋にやってくる。
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