第三章 本当の夜というもの

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 桜川は、その製作した全ての機械に、自爆をセットしていた。 そのスイッチは、桜川の脳にあった。  自爆装置付き。 これが、宇宙全土で、桜川が刺客に狙われる原因となっている。 自爆装置付きと分かっているのならば、外せば良いのだが、 心臓や肺など、外せない部分なども桜川は造っていたのだ。  他に、義手や義足は、神経まで繋いでしまい、外せないのだ。  今まで、爆発した人はいないとされるが、それは表向きで、 桜川は何人も殺しているらしい。 「静かな老後ならば、 爆発させないから、構うななど交渉したらいいのに」  そもそも、桜川が自爆装置を付けた理由は、案外純粋で、 患者が真面目にリハビリをしないので脅すためであったらしい。
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