第三章 本当の夜というもの

8/29
前へ
/306ページ
次へ
「S級は、亜空間を通して声を配信すればいいですが。 A級は、それでは亜空間に飲まれそうです」  窓の外には、夕日があった。もうすぐ、夜になる。 山の中の鬼同丸であったが、それでも電気はある。  時季も、提示された仕事の条件を響紀に説明していた。 「メンバーは前回と同様で行こうと思っている。 このチームで、暫し仕事を引き受けてみようかとも思っていてね」 「それは、それでいいです」  メンバーは決定した。 他に建物の配置図を空中に浮かべていると、 大広間の端に新人が幾人も待機していた。  物珍しそうに俺達を見る新人は、 規定の工程を経て、基本技術はあると認められた状態にある。 でも、これから先が大変なのだ。
/306ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加