第三章 本当の夜というもの

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「そこの新人、名前を教えて」  俺が声を掛けると、新人が驚いて立ち上がった。 「寺内です。鬼城出身、親父が大和様と同期です」  同期の子供が来るようになってしまったか。 「そっちは?」 「的場です。同じく鬼城出身です。 実家は、整体師で観光客相手に商売をしています。 趣味はサバイバルと狩りです」  日に焼けた肌に、きつい目が印象的であった。 「どうして、大広間で待機しているの?」 「百武様に、鬼同衆に付いて行けと指示されています。 鬼同衆は、ふらっと仕事に行ってしまうから、二十四時間見張っていろとも、 アドバイスを受けました」  百武の指示か。
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