第三章 本当の夜というもの

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 寺内は、一時期、怪我をして復帰が難しいと言われ、 大工の仕事をしていたという。 確かに、殺人兵器と呼ばれる、 俺達にとっては他の知識を持った人材が必要であろう。 「百武は、料理人っぽいのは付けていた?」  この際なので、甘えてしまおう。 「はい、今食材を持ってくる、緑川は鬼城の料亭の息子です」  新人三人か。 そう思っていたら、違っていた。 三人交代で監視しようとしていたのだ。  そう言われてみると、今日の鍋はおいしい。 緑川が丁寧に野菜を処理し、他、下拵えがしっかりしているのか。 「ええと、仕事に一緒に行くつもりだよね。 でも、この星から出る仕事は初めてだよね」  持っていく荷物、持っていかない荷物など、どう説明したら良いのだろう。
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