第三章 本当の夜というもの

18/29
前へ
/306ページ
次へ
 俺は、障子を閉めると、後ろで同じく見てしまっていた、 時季と響紀を振り返った。 「今日は、おとなしくしていよう。あれ、凄いよね」 「あれ、見て、おとなしくしていろと?」  でも、三人で素直にソニアに向かう。 「でも、俺、抱きたい気分で、される気分じゃない」  ソニアは巨大な宇宙船で、普段は山奥の湖の中に沈めている。 俺達は、鬼同丸に部屋はなく、ソニアで寝泊まりしていた。  山の獣道を歩いているのだが、全く光の無い状態でも、問題はない。 「まあ、御卜に最初に仕込んだのは、大和だからね。 見ていられないだろうけど」  少ないチームで、恋愛など持ち込めないのは、よく分かっている。 もしかして、袈裟丸は、御卜とできていると俺に見せたかったのか。
/306ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加