第三章 本当の夜というもの

21/29
前へ
/306ページ
次へ
「元は俺が悪いのだから、御卜に何か身に付けさせるよ」  俺のせいで、御卜は女性しか知らなかったのに、 男性と恋愛するようになったような気もする。  何より、御卜。 俺が新人の頃に亡くしてしまった、四羅という人に生き写しなのだ。 放っておくこともできなかった。 「何かって言ってもさ」  まず、基本からやり直しをしているが、俺達のいなかった二十三年、 鬼城は衰退していた。 まず、亜空間使いが少ない。 亜空間が使えないと、S級になれないので、S級が少ない。 「まず、亜空間使いは基本だよね……」  湖の前まで来ると、ソニアを呼んでみる。 ソニアが僅かに上昇し、ハッチを開けてくれた。
/306ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加