第三章 本当の夜というもの

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「中に入ろう。 ソニア、今度の仕事は長そうでさ。頼みたいこともある」  まず、亜空間を教えよう、そして、夜の営みは亜空間でしてもらおう。 鬼城の、亜空間の使用禁止を解かなければならないが、 そもそも、この鬼城から亜空間を取ったら何が残るというのだ。  亜空間の中の、本当の闇、本当の夜。 その静寂だけの世界に、二人の世界を築いて欲しい。  大広間に向かいながら、考え事をしていると、可能性に気が付いた。  亜空間の中ならば、同じく亜空間に捕えられている、 鬼同丸の仲間の所に行けるのではないのか。  俺と、孝太郎の力の差が歴然としているので、 亜空間を使うことを避けていた。 でも、できないことではないだろう。
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