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「ですよね。
まず、これ、スパイですよね。
火の屋も目立ちますし、俺の姿で会社員や研究員も無理でしょう」
袈裟丸は、熊か虎のような雰囲気であった。
大柄だが、鋭敏な感じはする。
でも、袈裟丸に会社員は無理であろう。
土木関係か、鳶職ならば似合いそうであった。
「……火の屋って言うな……」
それに、火の屋は余計だ。
俺の姿は、火の屋 武尊(ひのや たける)、いわば父に、
クローンと呼ばれる程に似ていた。
武尊は宇宙を代表する殺し屋であるので、
俺の見た目は、目立つというより記憶される。
皆が分かっていても黙っていることを、袈裟丸は言ってしまうので、
俺に付けてきたのだろう。
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