第四章 静かな湖畔

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 料亭のような座敷に通され、 座った瞬間に走る足音が聴こえてきた。 「大和!転居ってどういう事だ!」  時季が真っ赤になって怒っていた。 時季も響紀も、キレることはあっても、怒ることは珍しい。 「いや、亜空間の届け出を出したら、却下されたので、 ジュノーで亜空間を教えようかと思ってな」  時季が、俺の襟首を掴んだまま、一羅を見た。 「……許可を出してください。 これ、俺達の宝物なので、ジュノーに渡すつもりはありません」  許可と、時季が一羅に食い下がっていた。 響紀もやってくると、静かに座ったが、やはり怒っていた。
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