第四章 静かな湖畔

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「使用許可止まりにしておいてくれ。 鬼城は、孝太郎を輩出した一族だからな。監視も規制も多い、 俺も、ジュノーか火の屋に協力を仰いで、そこでならば、教えられるし、 渡せるようにしてみよ。 で、転居は取り下げておく。養子縁組の解消もなし」  一羅は、豪快に笑って酒を飲んでいた。 「はい」  少しでも、前進して良かったと思うべきだろう。 「で、聞きたいのだけど、その指輪、五羅のものだろう。 いつ、受け取った?」  五羅が渡してきた指輪は、合う指にはめておこうかと、 右手の中指に嵌めていた。  時季と、響紀が俺の指を見ていた。 「昨日、幻影から亜空間に入ってしまいまして、五羅の姿をみました。 そこで、渡されたものです」  正直に言うと、一羅がじっと指輪を見ていた。
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