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私、中川彩乃16歳。
10年前に母と兄と一緒に江戸に来た。
徒歩や籠に乗ってではない。
気がついたらだ…。
母と兄父のお墓参りに行く途中になぜか江戸にいた…。
兄の和真と私はパニックになったけど、母のみのりが気丈に事実を受け入れて私達を落ち着かせてくれた。
平成から来た私達は服や持ち物など異色でしかなく、役所の人達が私達を連れて行った。
でも、運良く(?)家を建てていた大工が目の前でケガをしそれを見た看護師の母が応急手当をし、無事に医者の所まで連れていくとその処置の仕方に感動した医者が私達親子の後継人になってくれた。
もし、あの大工さんがケガをしなければ私達親子はどうなっていたのか…。
それはわからないけど、今、私達親子は必死にこの時を生きている。
後継人になってくれた医者こと本郷先生は、私達に着物など色々な事を教えてくれた。
母はそんな本郷先生の力になりたいと看護師として本郷先生の助手をするように…。
私達は少しずつ現実を受け入れ、自分達でできる事をしながら本郷先生になついていった。
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