乳房星(たらちねぼし)2017

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『みなさまこんにちは…お昼休みのひととき、南海放送ラジオがお届けいたします…想い出のリズムの時間です…』 「よーくん…想い出のリズムが始まったよ…一緒にお歌を聴こうね…」 そして私は、ちえこと一緒に施設の居間に行きまして、居間に置かれている大型のAMラジオの前に行きまして、リクエスト曲を聴いていたのでありました。 『津軽海峡冬景色』・『愛の始発』・『すきま風』・『シクラメンのかほり』・『北の宿から』・『愛の終着駅』・『思い出まくら』・『いい日旅立ち』・『遠くへ行きたい』・『精霊流し』・『ひとり上手』・『空港(テレサテン)』・『お前に…(フランク永井)』・『時の過ぎ行くままに…』・『そして神戸』・『ふれあい』… 悲しい歌が流れた時、私は別れてしまった実母を思っていつも泣いていたのでありました。 そんな時、ちえこは泣いている私をなぐさめて下さったのでありました。 番組が終わった後は、テラスに出まして海をながめながら番組で聴いたリクエスト曲をちえこと一緒に歌っていたのでありました。 昭和53年3月頃に、私を棄てた実父が施設にやって来まして施設の先生に『心を入れ換えるから、子供と仲良く暮らしたい…』とオイオイオイオイ泣いて許しを乞うた末に、私を施設から連れ出して実父の家に連れて帰ったのでありましたが、この時に私の人生がさらに狂ってしまったのでありました。 昭和53年4月に、私は一番上のおばに連れられて今治市内のA小学校の入学式に行きましたが、入学式の時に名前を呼んでくれなかったのでありました。 おばはこの時、A小学校の先生に私の名前を呼んでくれなかったのでおかしいと言いまして抗議しましたが、この時に『小学校を間違えているのでは…』と言い返されましたので、市役所へ行きまして『教育委員会のえらいさんを呼びなさいよ!!』と怒鳴り散らしまして、教育委員会の人と大ゲンカを起こしてしまったのでありました。 あとになりまして、私が本来入学をする小学校はA小学校から北西に一キロ先のB小学校へ入学することになっていましたが、戸籍抄本や住民票があるかどうかが不明になっていましたので、職員さんが愛媛県の教育委員会に確認の電話をしましたが、愛媛県の教育委員会の人は『こちらの方で確認をとりますので、待ってください…』と泣きそうな声で言いまして電話をガチャーンと切ってしまったのでありました。
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