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ところ変わりまして、JR高松駅のプラットホームにて…
駅のプラットホームのベンチには、内子の薬問屋の溝端屋さんの番頭はんの竹宮さんが座っていました。
10バンドの小型のラジオで、ラジオNIKKEIの競馬中継を聴きながら九州スポーツ(スポーツ新聞)の競馬欄の出走表に赤鉛筆で印をつけていたのでありました。
「さあ、今日も当てるぞ…え~と…ここは枠番で…」
その時でありましたが、えびすみそのまえかけをつけています丁椎(でっち)どんの実松どんがやって来ました。
「ああ、番頭はん!!番頭はん!!」
「なんだよ実松…もうすぐ出走なんだよ…」
「番頭はん、競馬中継を聴いている場合じゃおまへんねん!!もうすぐ列車が到着するのですよ!!」
「分かったよ…」
竹宮さんは、小型ラジオの電源をオフにした後に小型ラジオとスポーツ新聞をはらまきの中に入れて、ベンチを立ちました。
「あと3分か…」
10時34分頃に、高松駅のプラットホームに特急いしづち号が入って来たのでありました。
列車が到着した後に、私とちえこが降りて来たのでありました。
「番頭はん…」
「ちえこさん…ヨシタカさんは?」
「よーくん連れて来たわよ…」
「お待ちしていました…まいりましょうか…」
竹宮さんは、改札口へ向かう前に実松どんに内子駅へ折り返す分のチケットを手渡した後にこう言ったのでありました。
「実松、おまえは内子へ折り返せ…」
「わて、内子へ引き返すんでっか?」
「つべこべ言わずに引き返せ!!」
「へえ…」
私とちえこは、竹宮さんと付き人さんたち500人と一緒に改札口を通りまして、駅の外に待機しているジャンボタクシーと個々の車に分乗いたしまして高松空港へ向かったのでありました。
高松空港に到着した後は、VIP専用のロビーで専用機の出発を待っていたのでありました。
その間に私は、散髪とひげそりをしまして、シャワーを浴びまして、下ろし立てのスーツに着替えまして、出発の準備を整えていたのでありました。
そして、午後2時過ぎに私とちえこと竹宮さんは、専用機に乗りまして、大空へと飛び立って行きました。
行き先は、アイスランドの首都・レイキャビックでありました。
竹宮さんは、私に『大番頭はん(君波さん)はレイキャビック市内のハトルグリムスキルキャ教会でヨシタカさんを待っていますよ…』と言っていましたので、財産書は教会にあると言うことが分かったのでありました。
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