喪失

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あの日、春蝉がうるさく鳴いていた。 「はっ?」 突然、目の前の白衣の男が発した言葉の意味が解らなかった。 口内がカラカラに乾いていくの感じながら自分が発した言葉は、春蝉の声にかき消されていくように感じた。 「もう一度お願いできますか。」
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