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俺の決断を父親は賛成した。
夜のバイト2人も喜んでくれた。
後はランチタイムの麻衣ちゃんに
謝らなくてはならない。
「麻衣ちゃん、話がある。仕事終わったら少し時間あるかな?」
麻衣ちゃんは新婚主婦だ。
昼間に1人で過ごすのが辛くて
バイトを始めたと言ってた。
俺の店じゃなくても行き先はあるはず。
「今月末でランチタイムを終了するんだ」
びっくりした顔は初めて見たな。
「ええっ!ショック!お昼ご飯付きで時給もいいし楽しいし。奈々ちゃんみたいに働きますよ?」
「無理だよ、麻衣ちゃん。子供授かりたいって話してくれたよな?妊娠したら立ち仕事は辛いよ?」
「うう。わかりました。もう1つのバイトに専念します」
「ありがとう。感謝するよ。あと1ヶ月間、よろしくね」
珈琲ではなくカフェオーレを手渡すと
麻衣ちゃんは美味しそうに飲み干した。
奈々ちゃんがエプロンしたまま
ダッ、と飛び込んできた。
「店長、ランチタイム辞めちゃうの?」
「うん。奈々ちゃん以上の人材確保が今からだと難しいし、そろそろ俺の身が持たないよ」
「「ジジくさっ」」
当店の女性は容赦ないんだ、うん。
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