再会

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ランチタイム最終となる一週間は 珈琲か紅茶を無料でサービスした。 感謝の気持ちを込めてクッキーを添える。 常連の女性たちは感嘆の声を上げた。 俺へのカードやプレゼントをくれた。 この2年間、頑張ってきてよかった。 涙を見せないよう、かなり努力を要した。 「みんな、優しいね」 きっぱり首を横に振る麻衣ちゃん。 「違うし。店長がニブ過ぎるってば」 頭を抱え込む奈々ちゃん。 「今まで鉄壁に徹した私の努力が泡に!」 「ん?鉄壁?奈々ちゃんが?」 「はぁー!!」 最後まで当店の女性は容赦ない。 ◇◇◇◇◇ 今では当店の常連客に変わった麻衣ちゃん 一児の母になって、しっかりしてきた。 奈々ちゃんは取引先の責任者だと言って 1人の女性を連れてきて紹介した。 「初めまして。久代です」 俺は後輩と運命の再会を果たした。 髪は落ち着いたダークブラウンに染め コンタクトから華奢な眼鏡にしたらしい。 オフィスカジュアルな服装は控えめで 相変わらず、朗らかな笑顔を向けた。 ……俺のこと、わからないのかよ? 不貞腐れた俺は、ぺこりと頭を下げて 自分の名前記載のない名刺を差し出した。
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