南條皇と言う男は・・・・・

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その後も、何度か告白を試みた。 だけど、結果は全部同じモノ・・・・・・ 他に好きな人がいるような事も言われた。 南條君が好きな女性・・・・・ 同じ大学でもないし、歳も違うから思い浮かばない。 だけど、諦めずに 南條君と苗字で呼んでいたのを "皇"と呼び捨てにしたり やっぱり、引っ切り無しに身体を触ったりして 自分と言う女がすぐ傍にいる事を 皇自身にも周りにも認識させていた。 真帆達には、はっきりとは付き合っているとは言わなかったけど あたし達の行動で、わたしの告白に 皇がOKしてくれたと誤解しているようだった。 あたしからはその誤解を訂正しない。 そう思ってくれてた方がありがたかったから。 外堀から固めて行って 徐々に徐々に追い詰めて 最後にはわたしの方に振り向いてもらう計算だった。 だけど、公演も終わって夏休みに入っちゃうと 接点のないわたし達は会う事も出来ない。 真帆達はしょっちゅうデートで遊んでくれず 仕方がないからバイトに明け暮れてやった。 そんな中、本物のカップルの真帆達が 遠距離恋愛の危機が訪れた。 家の都合で大学を中退して 内定をもらった会社で、大阪勤務の内示が出てしまった。 でも真帆は迷わなかった。 真帆の実家は名古屋だ。 自分のテリトリーと言う事だからか 自分も卒業して、東京の会社に就職が決まっていたけど 叶大君について大阪に行くと言い始めた。 それを言われた叶大君も驚いたけど 反対はしなかったようだ。 付き合い始めたばかりの二人にとっては 遠距離恋愛の道よりも、 無職で飛び込む大阪は怖くなかったようだ。
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