南條皇と言う男は・・・・・

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あたしが一緒に住むと話すと 明らかに嫌な顔を見せる皇だったけど お歳ごろになったミーには 女の人がすぐ傍にいた方がいいのよ!って言うと 納得してくれたのか、拒絶はしなくなった。 ---やった! ---ミーはいるけど、これで一緒に暮らせる!! そんな歓喜の想いで、一晩眠れぬ夜を過ごすと 翌日、来なくてもいいのに 花音と恭司君も一緒に暮らすと言って 大きなバッグを持ってやって来てしまった。 皇に、花音は親の承諾をもらったのかと聞かれても 花音の父親自身が、一緒にいてやれと言っていると言う。 そんな事を聞かされたのでは わたし一人が拒絶する事もはばかられた。 挙句に、花音は当時勤めていた仕事も休んで 昼間もミーに付き添っていられた。 あたしだって、ミーと一緒にいると言って あの嫌な営業の仕事を辞めたい・・・・・ あたしには営業は向いていない。 何度も配置換えをお願いしたけれど その度に、もっと頑張りなさいとしか返されなかった。 何もかにもが自分の思い通りにいかない。 8人弟妹の一番上と言う事で 実家では、いつも我慢を虐げられていた。 我がままを言って、高校から東京に出て来て やっと自由になれると思っていたのに 実際は、北海道にいる時と変わらないような状況だ・・・・・
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