南條皇と言う男は・・・・・

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遼臥君が亡くなってから、 ずっと喋る事をしなくなったミーも 徐々にだけど復調して行った。 高2の冬。 春になったらイタリアに留学したいとも言って来た。 当然猛反対のみんな。 あたしはどっちでもいいけど 一緒になって反対してやった。 だって、ミーがここにいてくれないと あたしがここに居座る口実がなくなってしまう。 ミーがイタリアに行ってしまえば 当然、みんな自分の家に帰らざるを得ない。 だから、あたしも猛反対をした。 他のみんなは、ミーの身体が心配なのと また、みんなが見ていない所で自棄を起こすかもしれないと そっちの心配だったようだけど。 どんなに反対をされても ミーも諦める事もなく説得に努めている。 その甲斐あってか、皇も恭司君も ミーの好きにさせてやろうと言い出してしまった。 あたし一人で反対と頑張ったけど あたしの意見なんて、当然無視され ミーが高3の春 一年間のイタリア留学が正式に決まってしまった。 皇と二人で、イタリア語の勉強まで始めている。 わたしも一緒に!と思ったけど 英語がやっとのわたしには、到底無理だと 話しをする前からわかってしまった。
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