南條皇と言う男は・・・・・

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「晶ぁ!晶!!帰ってるのはわかってるんだから 返事くらいしなさい!」 階下から母親の怒鳴り声とも似た叫び声が聞こえて来て 居留守を使ってやろうと思ってたのに そんなのしっかりとお見通しだったようだ。 「なによ!」 顔だけ廊下に出して、階下に叫ぶと 「翼達迎えに行って来てやって!」 やはり母親も2階に向かって叫んでいる。 「いやよ!なんでわたしが!」 「あんた、離婚して帰って来たって 働かざる者は文句言うんじゃないわよ!」 「____っ!」 母親からの木っ端みじんの言葉に繋げる言葉が浮かばない。 「ったく、傷心の娘を労わろうって想いはないのだろうか・・・」 ブツクサ文句を零しながらも 部屋から財布とスマホだけを持って階下に降りると 「母さんの車使っていいから、 早く行って来て!」 押し出されるようにしてキッチンから追い出された。 わたし、南條晶・・・・改め、本宮晶は 皇と離婚をして、美波商事も退社して 故郷の北海道に帰って来ました。 なにも言わずに帰ると、 家の中にはウジャウジャと人だらけ・・・・・・ それもその筈、わたしは8人弟妹の一番上。 わたし以外は全員北海道の実家か、 その近所に住んでいるために、人口密度が高い・・・・ 今から、すぐ下の弟が来るために 駅まで迎えに行く所だった。
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