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◇◇◇◇◇◇
公演が無事に終わった。
わたし達3人は、みんなの前で演じるよりも
そのあとの事で緊張していた。
公演が終わったら、もう会う機会がなくなってしまう。
だから、その日の内に告白をしようと決めていた。
公演終了と同時に、
わたしも南條君を講堂の裏手に呼び出した。
かち合ったら嫌だからと
前もって話をしていて
わたしが講堂の裏手
真帆が控室がある建物の裏手
花音は場所が思い浮かばなくて中庭の隅っこだった。
☆
「なにか用?」
先にわたしが待機していると
あとからメモを見て南條君が現れた。
「__あの!今日でもう会う機会もなくなってしまうので
はっきりと言います。
わたしと付き合って下さい」
目を見る勇気がなくて、下を向いたまま告白をすると
「ごめん、無理」
わたしよりも背の高い南條君の声が
頭の上の方から降りて来た。
---ごめん・・・・・無理・・・・・・?
産まれて初めての玉砕だった。
わたしから何も言えずにいると
「じゃあ戻るから」
そう言って、踵を返して戻ってしまった。
---あたし・・・・・振られたの?
---このあたしが?
---・・・・・・・・振られたの?
思ってもいない事態で、頭の中は大パニックだった。
さっきの言葉が頭の中をリフレインするけど
信じられない気持ちだった。
---無理って・・・・・・・
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