プリンセスのティアラ~プリンスの渇望~

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「人前でいちゃいちゃするってどうなんだ。ガキじゃあるまいし」 哲の声がした。 慌てふためき、もがいた姫良とは対照的に、紘斗はゆったりとして腕を放した。 「子供だろうと何も考えていないわけじゃない。素直になれる強さってのもあるだろ」 どこかずれた紘斗の弁解に哲は肩をすくめて応じた。 「相も変わらず余裕だな」 「哲ちゃん、妬かない妬かない。新婚さんなんだから」 知香が茶々を入れると哲が睨みつけた。 笑い声が風に乗り、戯れるように小さな渦を巻く。
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