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「あそこで休憩しない? けっこう歩いたから疲れた」
知香は休憩舎を指差した。
「お嬢さまは体力がないからな」
「哲ちゃんはお嬢さまコンプレックスだよね。何かっていうとお嬢さまってケチつけるんだから」
「独り立ちしろって忠告だ。親はいつかいなくなる」
「いつか、って明日のことは心配しない主義」
「やっぱお嬢さまだ」
哲と知香のあとを追いながら、姫良と紘斗は顔を見合わせて笑う。
「いまがすべてだって云ったことがあったな」
「うん」
「けど、いつかはって、プリンセスという名前を持った子を捜しながらここまで来た気がする」
「でも、プリンスを見つけたのはわたし」
「違う、おれのほうがさきだ」
紘斗は即座に否定し、主張した。
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