3:黒姫とティータイム

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「おっし!できた!」 店の休憩室に連れていかれ、メイド服に着替えさせられ、色々な部分をいじくられること数十分。 「やっぱり私の見立てに間違いはなかったな。 さすが、私。グッジョブ」 「勝手にやり遂げた感、出さないでもらえるか…」 しかし、俺も自分の姿を鏡で見て仰天した。 鏡の中に“何の違和感なく”女の俺が存在していた。 「どう?すごいっしょ。 学校で、メイクとかファッションを本格的に学んできたからさー。その腕には自信あるんだよねー」 と言って胸をそらして威張るとも姉。 確かにすごいかもしれない…。 「あ。表に飾る用の写真撮るからこっち来てー」 「俺、働くとは一言も言ってねーんだけど…」 「てめぇに拒否権なんかねぇよ」 そう凄まれて、俺はとも姉の言うことを聞くしかなかった。 気づけば、仕事の説明とやり方を教えられ、気づけば、ホールに立たされていた。
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