3:黒姫とティータイム

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俺はとりあえず傍にいるとも姉に訊いた。 「指名って何だよ?」 「好きなメイドさんを選んで、30分間一緒に過ごせるサービスのことだ。 尚、指名の時間中は萌え萌えサービスが全て無料となる」 「萌え萌えサービス?」 「ドリンクを頼むと、もれなくメイドさんが美味しくなるおまじないをかけてくれるサービスだ」 「何だよそれ…」 「まぁ例えば『愛をこめて♪ラブラブパワー注入!おいしくなぁれ♪』とかこんな感じだ」 「死ぬわ!恥ずかしくて死ぬわ!」 「んなぐらいで死なねーよ!ガタガタ言わずに行って来い!」 とも姉に蹴り飛ばされ、俺は渋々黒姫の居るテーブルへと赴いた。 「ご指名ありがとうございます。相席よろしいでしょうか?」 なんとか高い声を保ちながらそう訊ねると、黒姫はその鋭い眼差しを俺に向けてきた。 (…ヤバイ…俺だということがバレたか?!) 内心で冷や冷やしていると、 「ああ、どうぞ」 黒姫はすんなりと頷いた。 俺は少し拍子抜けしながらも「失礼します」と言って、向かいの席に座った。
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