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俺はとりあえず傍にいるとも姉に訊いた。
「指名って何だよ?」
「好きなメイドさんを選んで、30分間一緒に過ごせるサービスのことだ。
尚、指名の時間中は萌え萌えサービスが全て無料となる」
「萌え萌えサービス?」
「ドリンクを頼むと、もれなくメイドさんが美味しくなるおまじないをかけてくれるサービスだ」
「何だよそれ…」
「まぁ例えば『愛をこめて♪ラブラブパワー注入!おいしくなぁれ♪』とかこんな感じだ」
「死ぬわ!恥ずかしくて死ぬわ!」
「んなぐらいで死なねーよ!ガタガタ言わずに行って来い!」
とも姉に蹴り飛ばされ、俺は渋々黒姫の居るテーブルへと赴いた。
「ご指名ありがとうございます。相席よろしいでしょうか?」
なんとか高い声を保ちながらそう訊ねると、黒姫はその鋭い眼差しを俺に向けてきた。
(…ヤバイ…俺だということがバレたか?!)
内心で冷や冷やしていると、
「ああ、どうぞ」
黒姫はすんなりと頷いた。
俺は少し拍子抜けしながらも「失礼します」と言って、向かいの席に座った。
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