3:黒姫とティータイム

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「…あ…あの…」 つい先ほどとも姉に叩き込まれたばかりのマニュアルを頭の中で広げながら話し始める。 「…お名前は…何てお呼びすればよろしいでしょうか?」 「ああ。いずみ、でいいよ」 「いずみさんですね。私は銀子です。今日入ったばかりで…」 「…銀…?」 すると、黒姫はずいっと俺に顔を近づけてきた。 「そういえば、あんた…あいつにちょっと似ているな…」 「…あ…あいつ…?」 俺は焦りながら聞き返す。 「白川銀二。ついこの間、私がタイマンで負かしてやった相手だ」 「へ……へぇ……そーなんですか…」 「…まぁ、あんな奴なんかより、あんたの方がその…よっぽど綺麗…だけどな…」 なぜか黒姫は頬を赤く染め、顔を離した。 「あ…ありがとうございます…」 俺は訳が分からないまま、礼を述べた。
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