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「へぇ。銀子はカフェラテが好きなんだ」
「はい。
でも最近、コンビニのコーヒーをよく飲むようになって、ブラックコーヒーの良さも分かってきたかも」
黒姫の意外な内面を知ってしまったあの日から、もう数日が経っていた。
それでも俺はメイド喫茶のバイトを続けていた。
そして、黒姫は店に来るたびに俺を指名してきた。
「やっぱりコーヒーはブラックだろ」
「カフェラテも色んなフレーバーとかあったりして楽しいですよ。駅前のカフェのラテアートもすごい可愛いし。いずみも飲まず嫌いせずに一度は飲んでみたらどう?」
この格好で働き始めてまだ月日は浅いのに、違和感なく溶け込んでしまっている自分の順応性が怖い…。
一方、黒姫は女の姿の俺にかなり好意を寄せてくれているようで、俺達は日を追うごとにどんどん仲良くなっていった。
男の俺としてはいささか複雑な心境だけど、黒姫の心許せる相手になれているならそれも悪くないのかな、と安直に思っていた。
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