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「いかがですか。はじめましてエリカと申します」
目を開くと、ベットに寝かされて、横にはメイド服っぽいものを着た女性が立っていて、軽く頭を下げた。
エリカと名乗る彼女は営業スマイルとも言える笑みを浮かべ、ゆっくりと話し始める。
「本当は、はじめましてではないのですが、あなたの記憶からは、はじめましてになります。お手数ですが、また覚えなおしてくださいね」
エリカは世話係だといい。
何の世話係だかもわからないまま「お茶を入れてまいります」と本当にメイドみたいにぺこりと一礼すると、部屋を出て行った。
起き上がって床を見ると毛足の長いカーペットが敷いてあって、ベットルームの隣にはまた部屋があって、そこを見渡すと、ロッキングチェア、レプリカだろうが絵画やソフャー、机、書籍棚が見えた。
ここは外国か?日本だよな?
ゆっくりと探るようにベッドから降りて、柔らかな絨毯に足をついた。
まるでどこぞのお屋敷の応接室のようだ。
そっとソファーをなでると高級そうな皮だった。
怯えながらもおずおずと座ってみた。
吸い込まれるような座り心地だ。
「お待たせしました」
エリカがお茶とお菓子を運んできたのだが、本当にお屋敷みたいにカラカラとワゴンを押して現れた。
「まずはお茶を召し上がって、後ほど社長が見えますので」
俺の前には、カラフルなスイーツが並べられ、紅茶のいい香りがする。
スンと匂いをかぐと、甘い香りと紅茶の香りで胃が動くのがわかった。
どうやら空腹らしい。
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