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「やめっ!!今日はここまでとする!」
「「ありがとうございました」」
古びた道場では、幾人かの男たちが時間を忘れて一心不乱に稽古をしている。
四季を通して、道場は熱気に包まれていた。
「若先生、お疲れ様です。あちらに茶を用意いたしました。水浴びの後にでも飲んで下さい」
「おお、いつもすまんな。ありがたく頂こう!」
若先生、基…近藤 勇さんは、乱暴に少年の頭を撫でた。
「ちょっ!?痛いです、若先生!!」
「ん?そうか?すまんすまん。さっきまで木刀を握っていたからなぁ、うまく抑えが利かんのだ」
「もう…。でも、若先生らしいです。」
お気付きの方もいるかもしれない。
この少年こそ、シェリー・スノーの生まれ変わり…すなわち俺だ。
俺はどういうわけか、この時代に新しい生を受け、若先生の営む試衛館というところで厄介になっている。
誤解しないで欲しいのが、俺の生まれ。
俺はただの居候。若先生とは一切縁がない。
あるとすれば…
「相変わらずの猫かぶり…気色悪いね。
もしかして、鏡見たことないの?君」
この男だ。
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