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「煩いぞ宗次郎!!若先生の前だ!口を謹め、無礼者!!」
「残念。
俺と若先生の関係は、口や態度の悪さなんかじゃ崩れたりしないから」
んだと!?
俺は手近にあった木刀を横一文字になぎ払った。
宗次郎と呼ばれた青年は、難なく剣先を避けてみせる。
その後なんども攻撃を仕掛けるが、宗次郎は楽々躱して、俺の手首に手刀を落とした。
「俺にケンカを売るとはね。死にたいの?いいよ、おいでよ。今なら、お兄ちゃんが君を嬲り殺してあげるからさ」
「黙れ!!何がお兄ちゃんだ!!一丁前に兄貴ぶってんじゃねぇ!!」
「可愛くないなぁ。ま、俺も君なんかが弟なんて御免だから、“おあいこ”かな?」
ウフッと小首を傾げてみせる宗次郎。
鳥肌もんだ。
「気色悪いんじゃい!!!」
そう。この青年こそ、俺の身内。
沖田 宗次郎。俺の三つ年上の血を分けた兄弟だ。
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