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「はっはっは!お前たちは本当に仲がいいなぁ!!おミツ殿がまた嫉妬してしまうぞ」
「うげっ、それは勘弁」
本当に嫌そうに眉を寄せる宗次郎。
つられるまでもなく、俺の顔も自然と歪んでいた。
おミツ殿というのは、俺たちの姉。
気立ても良く、性格も容姿も二重丸。
しかし、相当なブラコンだ。
俺と宗次郎が家を離れて、この道場に内弟子に入ると決まった時のミツ姉さんの取り乱し様ときたら。
思い出すだけで、頭が痛くなる。
「あれ、そういえば平助達は?稽古してたんじゃないの?」
「稽古ならとっくに終わったつーの!!毎回毎回サボってんじゃねーよ腐れ塾頭!!」
「嫌だなー、君のためを思ってサボってあげてるんでしょ。俺の代わりに君が皆の稽古をつければ、少しは体力つくんじゃないかなと思ってね。“ありがとうございます、兄上様”って言ってごらんよ」
「誰がいうか、サボリ魔!」
なんでこんな奴が俺より強いんだ!!
俺だって、元の世界では負けナシだったってのに。
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