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「平助、せめて髪を乾かせ。俺が拭いてやろう」
ナイス永倉さん!
よかったまともな人がこの場にいて!!
「お、おう悪りぃな新八!…や、優しく拭いてくれよ?」
お前じゃなぁぁぁぁぁあい!!
原田さん何やってんの!?
しかもちょっと耳赤いし!!
何勘違いしちゃってんだよこの人!
新八さん固まってるし、雷を受けた人並みに感電しちまってるし。
ーーーチャキ
「原田さん逃げてぇ!!」
「なんだよ急にデケェ声出して…って、おーい……新八さん?その手にある物騒なものは何のために…?」
「…散れ」
「ぢょっ、待っ、うぎゃぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ」
……。
南無。すみません、原田さん。
432回目の墓を掘るので、見捨てる俺を許して下さい。
「……」
「あっれ、ハジメ君じゃん。どうしたの?てか、相変わらず喋んないね~君」
「宗次郎!」
本人の前で失礼なことを言うな!
「……」
「ねー、今日こそなんか喋ってみてよ。俺、聞いてみたいんだよね~」
「……」
「あれ、無視?もしかして、怒っちゃった?可愛いな~、それで睨んでるつもりなんだ」
「やめろって!!」
俺は宗次郎を睨むと、斎藤さんを近くへ引き寄せた。
宗次郎や藤堂さんと同い年な彼だけど、背丈は俺よりも小さく小柄。
女と見間違えてしまうほどに体の線も細い。
引き寄せた斎藤さんは、わずかに震えていた。
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