転生

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「俺ももちろん着いて行きますぜ、旦那!この原田左之助の槍で、不逞浪士どもを一網打尽にしてやるさ!」 「落ち着け左之、暑苦しいぞ」 「怠いな…籠とかあればいいけど…。てか眠っ。ハジメ君ちょっと肩借して」 「……」 「多摩のみんなにも、報告しないとねぇ」 「ふふ、忙しくなりそうです」 「煩ぇぞ、テメエら。餓鬼の遠出じゃねぇんだぞ」 「勿論だとも。俺たちは一人として、軽い気持ちで京に行くわけではない!国のため、全ては明るい未来の為だ」 途端に湧き出す、若き先鋭たちの声。 この道場には、若先生や宗次郎を始め、武芸に長けた強者が揃っている。 槍の達人、原田左之助。 神道無念流を極め、学もある永倉新八。 文武才能溢れた、藤堂平助、山南 敬介。 居合いの達人、斎藤一。 天然理心流の古株、井上源三郎。 そして、沖田宗次郎、土方歳三、近藤 勇。 世は動乱の時代。 異国は開国を迫り、尊王攘夷を謳う古の同輩は、各地に混乱を招く。 日の本。 それが、俺の新しい世界。 俺の、今生きるべき世界。 誰にも壊させない 今度こそ、自分の手で守ってみせる。 それでも死は平等だから。 出会えた仲間たちと、死が別つその時まで。 俺は、もう紅月の皇帝でも、シェリー・スノーでもない。
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