28人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺ももちろん着いて行きますぜ、旦那!この原田左之助の槍で、不逞浪士どもを一網打尽にしてやるさ!」
「落ち着け左之、暑苦しいぞ」
「怠いな…籠とかあればいいけど…。てか眠っ。ハジメ君ちょっと肩借して」
「……」
「多摩のみんなにも、報告しないとねぇ」
「ふふ、忙しくなりそうです」
「煩ぇぞ、テメエら。餓鬼の遠出じゃねぇんだぞ」
「勿論だとも。俺たちは一人として、軽い気持ちで京に行くわけではない!国のため、全ては明るい未来の為だ」
途端に湧き出す、若き先鋭たちの声。
この道場には、若先生や宗次郎を始め、武芸に長けた強者が揃っている。
槍の達人、原田左之助。
神道無念流を極め、学もある永倉新八。
文武才能溢れた、藤堂平助、山南 敬介。
居合いの達人、斎藤一。
天然理心流の古株、井上源三郎。
そして、沖田宗次郎、土方歳三、近藤 勇。
世は動乱の時代。
異国は開国を迫り、尊王攘夷を謳う古の同輩は、各地に混乱を招く。
日の本。
それが、俺の新しい世界。
俺の、今生きるべき世界。
誰にも壊させない
今度こそ、自分の手で守ってみせる。
それでも死は平等だから。
出会えた仲間たちと、死が別つその時まで。
俺は、もう紅月の皇帝でも、シェリー・スノーでもない。
最初のコメントを投稿しよう!