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『君の通う学園の理事長だよ』
「第三魔導師育成機関ーー通称明鏡学園の総理事である神山 飛鳥(かみやま あすか)だ。好きに呼んでくれて構わない」
学園の理事長。
先程の話で彼が俺よりもずっと年上なのはわかったが、どうしても見た目との違和感が拭えない。
「ということはここは理事長室?」
『そういうことだ。私は古くからこの学園の理事長と親しくしていてな。だから理事長室へと直接転移できる魔法式をこの部屋に構築させてもらっているのさ』
確かにシルフと神山は旧知の間柄のように仲の良い雰囲気を醸し出している。
互いの心が通じ合っていると言っても過言ではないかもしれない。
「へぇ…じゃあここが俺の通う学園なんだな」
理事長室というものに一度も入ったことがないから判別しようもないが、この学園の施設はどうやらお金がかかっていそうだ。
あちらこちらの装飾や調度品がやけに凝っているのが分かる。
俺の視線の先に気付いたのか、神山はクスリと控えめに笑ってみせた。
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